あきらのあきらめないブログ

普段は歴史ブログを書いていますが、それ以外の思いを綴ります

社会人とは何か? 考えざるを得なかった

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「君、これまでの仕事を報告書にまとめてくれないか」
この言葉はある意味、深い事情を暗示していた。
 
僕は嫌だなあ、と思いながら返事をした。
「分かりました、いつまでに書けば良いですか」
 
これは、20年以上前のことを思い出しながら書いている、僕の日記である。
 
新人の頃の上司は、嫌に細かい人物だった。
理不尽なことばかりあった。社会人とは何か? 
僕はどんどん社会人として働いていく自信を失っていた。

 

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上司は実に研究者タイプで知識もあったので、そんな事も知らないのか、とばかりに容赦なくツッコミを入れてきた。レポートを書くときも、いつもコテンパにやられ、意気消沈していた。
 
「この点はなぜこうなるんだ?」
「はい、結果から推測すると、こう考えられます」
 
「バカか君は。それは違うな、よく考えたのか。これまで勉強しなかったのか? 怠惰だなあ、この資料にかいてあるだろう」
 
上司は目をつむりながら話し、口を開いたら止まらないタイプ、という強敵でもあった。
 
「この点も、あの点も、ん~、全然なってないじゃないか。ちゃんと調べたのか?」
 
新人にとっては、世の中で何がわかっていて、何がわかっていないか、分からない。
さらに、自分は何が分かっていないのか、すら分かっていない。
教えてもらっていないのに、調べろ、と言われても、何を調べるのか、それさえ見当がつかなかった。
 
 
上司は、ガラガラと自分の棚を開けて資料を取り出した。
 
「ほら、この資料にもいろいろ書いてあるだろう。調べて君の空っぽの脳でも、もっと考えろよ」
「資料があることを僕は知りませんでした」
「知らないなら聞けよ。俺の棚の中に入ってるんだよ」
 
聞いてないよ、そんな資料があることなんて。資料が上司の棚にはいってるなんて、誰も知らないぞ。そう言おうと思ったが、また目をつむって長く話されるのも嫌なので黙っていた。
 
「はい、わかりました」
 
レポートは直しても直しても、また新たな別の突っ込みが入る。
そんな経験をしたことがある人も多いだろう。

「君、この点の考えがおかしいぞ」
「この前、言われませんでしたが」
「ばかもの、言われてない部分も見直すのが当然だろ」
  
上司は、自分の仕事に夢中で、いつも忙しそうにしており、僕の仕事にはあまり興味がなかったようだ。いつも思い出した様に言うだけ言っておいて、そのあとはノーフォロー。
相談しようと思っても、最後まで仕上がってから持って来い、俺は忙しいんだと言われる。
  
もうちょっと、優しく親身になって相談出来たらなあ・・・・・・
僕は自分の無力さをもどかしく思うとともに、相談できる相手もおらず寂しい思いもしていた。
僕はレポートを書くのが大嫌いだった。
 
 
僕はこんなことをするために会社に入ったのだろうか?
もっと大きな夢を持って、バリバリと仕事をしているんじゃなかったっけ?
社会人とは、みなこんな感じなんだろうか?
社会人とは何か? 僕は考えざるを得なかった。
 
なかなか話を聞いてくれない上司、日常業務も通常はチームを組んで行うけれど、
 
「お前は一人でやれ」
と、僕はチームを作ってもらえなかった。
チームを組んいる人たちは、とても楽しそうに仕事をしているように見え、とてもうらやましかった。僕は職場の中でも、ぽつんと浮いた存在になっていた。
 
社会人とは何だろう? 
 
ある時、上司から言われた。
「これまでのレポートをまとめて報告書を書きなさい」
 
またか、もううんざりだよ。正直勘弁してほしかった。
しかし、この報告書を書くことは他の意味を持っていたようだった。
 
上司からの、面倒なつっこみを何とか耐え、何とかこなしながら報告書は辛うじて書き上げた。報告書を書いているとき、僕は仕事に対する希望を失っていた。この先、この職場で仕事を続けていく自信がない。
報告書はこれまでの仕事をまとめる、というより終了させるような、卒論を書くような気持で書いていた。
 
本当に、その報告書が卒論になってしまったのである。
 
その職場で働いて2年が経った時である。
僕は上司に呼ばれて、こう告げられた。
「これまでの2年間は教育期間だった。それで、別の部屋に異動してもらう」
 
あなたは、この2年間、僕に何の教育をしてくれたんだ?
僕は声を大にして言いたかったが、その代わりに声を大にして上司から離れられる喜びを表現したかった。
 
「はい!わかりました!」
 
たった1行の宣告であったが、僕にとっては、目の前が急に明るくなって、世界が変わった気がした。見るもの聞くものが、なんでも新鮮に感じた。食事もおいしくなった。
 
入社して、また新たな人生をスタートすることになったのだった。
 

 

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係長 島耕作(3) (イブニングKC)

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最後まで読んでくださり有難うございました。